「セラミド配合」と書かれた化粧水は数多くありますが、
と迷ったことはありませんか。実は「セラミド」という言葉の中には、ヒト型セラミド・疑似セラミド、さらに表記の新旧という、いくつもの違いが含まれています。この記事では、CosmeScopeに登録されている市販のセラミド化粧水5本を取り上げ、成分表とスコアから「セラミドの種類と表記の見分け方」を軸に客観的に比較します。
成分データ確認日: 2026-07-11
まず、この記事で使う分類を整理します。
| 分類 | 内容 | 成分表での見分け方 |
|---|---|---|
| ヒト型セラミド(新表記) | ヒトの肌に存在するセラミドと同じ、または類似した構造の成分。近年はアルファベット表記が主流 | セラミドNP、セラミドAP、セラミドEOP、セラミドNGなど |
| ヒト型セラミド(旧表記) | 同じくヒト型セラミドだが、日本で古くから使われてきた数字による呼び方 | セラミド1、セラミド2、セラミド3、セラミド6Ⅱなど |
| 疑似セラミド(合成セラミド様成分) | セラミドに類似した機能を持つとされる合成成分。成分名に「セラミド」を含まない場合がある | ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミドなど |
「セラミド配合」という表示だけでは、この3分類のどれに当てはまるか分かりません。成分表で実際の表示名を確認することが、中身を知る唯一の方法です。
2026年7月時点でCosmeScopeに登録されている商品の中から、価格帯・セラミドの種類がばらける5本を選びました。
| 商品 | 価格 | 容量 | セラミドの種類・表記 | 医薬部外品 |
|---|---|---|---|---|
| キュレル 化粧水III とてもしっとり | 2,090円 | 150mL | 疑似セラミド(ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド) | ○ |
| 無印良品 敏感肌用化粧水 高保湿 | 990円 | 200mL | セラミドNP(ヒト型・新表記) | - |
| トゥヴェール バリアショットローション | 2,340円 | 120mL | セラミドAP・NG・NP・EOP(ヒト型4種・新表記) | - |
| 菊正宗 日本酒の化粧水 高保湿 | 679円 | 500mL | セラミド3・セラミド6Ⅱ(ヒト型・旧表記) | - |
| MISSHA ビタシープラス化粧水 | 1,980円 | 200mL | セラミドNP(ヒト型・新表記)+ナイアシンアミド | - |
| 商品 | 総合 | うるおい | やさしさ | 刺激感への配慮 | 成分品質 | なじみやすさ |
|---|---|---|---|---|---|---|
| キュレル 化粧水III | 4.0 | 5.0 | 4.8 | 4.9 | 3.3 | 4.4 |
| 無印良品 敏感肌用化粧水 高保湿 | 4.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 4.0 | 4.0 |
| トゥヴェール バリアショットローション | 4.4 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 3.9 | 5.0 |
| 菊正宗 日本酒の化粧水 高保湿 | 3.7 | 5.0 | 4.4 | 4.5 | 3.3 | 2.5 |
| MISSHA ビタシープラス化粧水 | 4.2 | 5.0 | 4.4 | 4.4 | 3.8 | 5.0 |
※スコアはCosmeScope独自の成分構成の分析に基づく成分傾向の数値化であり、使用感や肌相性とは別軸の指標です。太字は各項目の最高値を示します。
「セラミド配合」表示があっても、実際の配合順位(=配合量の目安)は商品によって大きく異なります。5本それぞれのセラミド系成分の配合順位を確認します。
キュレル 化粧水III とてもしっとり(全成分15、個別分析) 全成分:アラントイン、水、グリセリン、BG、ベタイン、POEメチルグルコシド、ユーカリエキス、PEG1540、ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド、DPG、コハク酸、アルギニン、ステアロイルメチルタウリンNa、POE水添ヒマシ油、パラベン 疑似セラミドのヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミドは配合順9位(全15成分中)。有効成分のアラントインが1位に記載される医薬部外品で、疑似セラミドはうるおい保護機能を担う成分として中盤に位置づけられています。
無印良品 敏感肌用化粧水 高保湿(全成分24、個別分析) 全成分:水、グリセリン、BG、ジグリセリン、グリコシルトレハロース、ユーカリ葉エキス、スベリヒユエキス、グレープフルーツ種子エキス、セラミドNP、アラニン、アルギニン、グルタミン酸Na、セリン、プロリン、ヒアルロン酸Na、グリチルリチン酸2K、ペンチレングリコール、PCA-Na、PEG/PPG/ポリブチレングリコール-8/5/3グリセリン、加水分解水添デンプン、エチルヘキシルグリセリン、ポリソルベート80、クエン酸、クエン酸Na セラミドNPは配合順9位(全24成分中)と、比較的前方に位置しています。990円という価格帯ながら、ヒト型セラミドが上位に配合されている点が特徴です。
トゥヴェール バリアショットローション(全成分55、個別分析) 全成分:水、BG、DPG、ペンチレングリコール、ナイアシンアミド、ワセリン、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、水添レシチン、トコフェリルリン酸Na、パンテノール、エクトイン、ジグリセリン、エリスリトール、グリセレス-26、パルミチン酸エチルヘキシル、ポリグリセリン-3、ソルビトール、フィトステロールズ、セラミドAP、セラミドNG、セラミドNP、セラミドEOP、ポリグルタミン酸、PCA-Na、PCA、ベタイン、セリン、アラニン、グリシン、グルタミン酸、リシンHCl、トレオニン、アルギニン、プロリン、ホスホリルオリゴ糖Ca、異性化糖、塩化Ca、ブドウ果実エキス、ヘキサカルボキシメチルジペプチド-12、乳酸Na、ミリスチン酸ポリグリセリル-10、ポリソルベート20、加水分解ヒアルロン酸、チューベロース多糖体、キサンタンガム、グリチルリチン酸2K、グリチルレチン酸ステアリル、トコフェロール、クエン酸Na、クエン酸、EDTA-2Na、1,2-ヘキサンジオール、カプリリルグリコール、エチルヘキシルグリセリン、フェノキシエタノール セラミドAP・NG・NP・EOPの4種が配合順19〜22位(全55成分中)にまとまって記載されています。ナイアシンアミドやエクトインなど機能性成分が前方に多く、5本の中で全成分数が最も多い処方です。
菊正宗 日本酒の化粧水 高保湿(全成分23、個別分析) 全成分:水、グリセリン、BG、コメ発酵液、グルタミン酸、アルギニン、ロイシン、セラミド3、セラミド6Ⅱ、プラセンタエキス、アルブチン、グリチルリチン酸2K、ダイズタンパク、マルチトール、メチルグルセス-10、PEG-60水添ヒマシ油、ヒドロキシエチルセルロース、(スチレン/アクリル酸アルキル)コポリマーNa、クエン酸、クエン酸Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、香料 セラミド3・セラミド6Ⅱは配合順8〜9位(全23成分中)で、5本の中でも上位グループに位置します。679円という価格帯でヒト型セラミドが前方に配合されている点は、成分表からわかる特徴です。
MISSHA ビタシープラス化粧水(全成分60) 全成分:水、グリセリン、BG、ナイアシンアミド、ペンチレングリコール、ベタイン、トレハロース、1,2-ヘキサンジオール、ウラルカンゾウ根エキス、ビフィズス菌培養溶解質、パンテノール、ヒポファエラムノイデス水、(C12-14)パレス-12、3-O-エチルアスコルビン酸、クロレラエキス、グルコース、ウコン根エキス、乳酸桿菌発酵液、フルクトオリゴ糖、フルクトース、エチルヘキシルグリセリン、アデノシン、カルボマー、メリアアザジラクタ花エキス、トロメタミン、カミメボウキ葉エキス、ヒアルロン酸Na、アラントイン、EDTA-2Na、メリアアザジラクタ葉エキス、リモネン、ダイズ種子エキス、アスコルビン酸、サンゴモエキス、ラベンダー油、ユーカリ葉油、オクタンジオール、加水分解コラーゲン、ラクトビオン酸、グリセリルグルコシド、オレンジ果皮油、グレープフルーツ果皮油、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、シアノコバラミン、PVP、水添レシチン、トコフェロール、セラミドNP、パルミトイルトリペプチド-5、カプリリルグリコール、ヒアルロン酸、アセチルヘキサペプチド-8、フラーレン、α-アルブチン、アルブチン、加水分解ヒアルロン酸、DPG、コレステロール、キトサン、アスコルビルグルコシド セラミドNPは配合順48位(全60成分中)と、5本の中で最も後方に位置しています。ナイアシンアミドやビタミンC誘導体(3-O-エチルアスコルビン酸、アスコルビルグルコシドなど)を前方に多く配合した処方で、セラミドはその他多数の機能性成分のひとつという位置づけです。
菊正宗の「セラミド3」「セラミド6Ⅱ」という表記を見て、無印良品やMISSHAの「セラミドNP」と別物だと思う方もいるかもしれません。実はこれらは、ヒト型セラミドの呼び方の新旧の違いです。日本の化粧品成分表示では、かつて「セラミド+数字」という命名が使われていましたが、現在は脂肪酸とスフィンゴイド塩基の組み合わせを示す「セラミド+アルファベット」表記への切り替えが進んでいます。業界で知られている対応関係としては、セラミドNPが旧表記のセラミド3、セラミドAPが旧表記のセラミド6Ⅱに対応するとされています。つまり菊正宗の処方は、呼び方こそ古いものの、無印良品やトゥヴェールと同じ系統のヒト型セラミドを配合していると読むことができます。
一方でキュレルの「ヘキサデシロキシPGヒドロキシエチルヘキサデカナミド」は、成分名に「セラミド」という文字を含まない疑似セラミド(合成セラミド様成分)です。ヒト型セラミドとは分子構造が異なりますが、うるおい保護に関わる成分として化粧品に配合されることが知られています。「セラミド」という文字が成分表にあるかないかだけでは判断できない、表記の奥にある違いです。
肌質や好みには個人差があるため、上記はあくまで成分構成からの検討材料としてご覧ください。
Q. セラミドNPとセラミド3は代替になりますか? A. いずれもヒト型セラミドの系統に位置づけられる成分ですが、新旧表記の違いがあるため、成分表を確認する際はどちらの表記かをチェックすることをおすすめします。「代替になる」と断定はできませんが、系統としては近いものです。
Q. 疑似セラミドはヒト型セラミドより劣るのですか? A. 優劣を断定することはできません。疑似セラミドはヒト型セラミドとは分子構造が異なる合成成分ですが、うるおい保護に関わる成分として化粧品に配合されることが知られています。処方全体のバランスや配合順位も合わせて確認するのが現実的です。
Q. スコアが高い商品を選べば間違いないですか? A. スコアは成分構成の分析に基づく数値化であり、使用感や肌相性とは別軸の指標です。同じスコアでもテクスチャーや香りの好みは人それぞれのため、参考情報のひとつとして活用することをおすすめします。
「セラミド配合」とひとくちに言っても、ヒト型セラミドか疑似セラミドか、新表記か旧表記か、そして配合順位がどこにあるかによって、実際の処方は大きく異なります。菊正宗のセラミド3・6Ⅱは無印良品・トゥヴェールのNP・APと同じヒト型の系統である一方、キュレルの疑似セラミドは別の分子構造を持つ成分です。「セラミド」という言葉だけで判断せず、成分表示名と配合順位を確認する習慣が、ヒト型セラミドの種類そのものを詳しく知りたい方はセラミドの種類ガイドもあわせてご覧ください。
※ 本記事は全成分表示に基づく成分情報の可視化であり、医学的助言や効能効果の保証ではありません。肌の状態には個人差があります。気になる症状がある場合は皮膚科専門医にご相談ください。