韓国コスメをきっかけに「CICA(シカ)」という言葉をよく見るようになったけれど、
と気になっていませんか。この記事では、CICAの正体であるツボクサエキスについて、含有成分・化粧品としての効能範囲・成分表での見分け方を、効果を強めに断定せず事実ベースで整理します。CosmeScopeの全成分データから、表示名のバリエーションと配合順位の読み方も解説します。
成分データ確認日: 2026-06-11
「CICA(シカ)」は、特定の1成分の名前ではなく、ツボクサ(Centella Asiatica)由来の成分を配合した製品をまとめて指すマーケティング上の呼び名です。成分表示名としては「ツボクサエキス」「ツボクサ葉エキス」などと書かれます。
語源には諸説あり、傷あとを意味するラテン語「cicatrix(シカトリクス)」に由来するという説や、韓国で広まった「シカケア(CICA care)」という言葉に由来するという説が知られています。ツボクサは「タイガーハーブ」とも呼ばれ、傷ついた動物がこの草に体をこすりつけたという逸話とともに紹介されることが多い植物です。
ここで押さえておきたいのは、「CICA」はあくまで商品の打ち出し方の呼称であり、化粧品の成分表に「CICA」という成分が載るわけではない、という点です。実際にチェックすべきは、後述するツボクサ由来成分の表示名です。
ツボクサエキスには、いくつかの特徴的な成分が含まれていることが知られています。代表的なものを挙げます。
| 成分 | 表示名の例 | 位置づけ |
|---|---|---|
| マデカッソシド | マデカッソシド | ツボクサの代表的な成分として知られる |
| アシアチコシド | アシアチコシド | ツボクサに含まれる成分として知られる |
| アシアチン酸 | アシアチン酸 | ツボクサ由来成分のひとつ |
| マデカシン酸 | マデカシン酸 | ツボクサ由来成分のひとつ |
これらはまとめて「ツボクサエキス」として配合されることもあれば、マデカッソシドのように単独の成分として精製・配合されることもあります。いずれも、肌を整える目的で化粧品に配合されることが多い成分として紹介されています。
研究の場ではこれらの成分について様々な報告がありますが、研究で観察された働きと、化粧品として表示できる効能範囲は別のものです。この区別を次の章で整理します。
CICAを紹介する記事の中には、「肌荒れを改善する」「炎症を抑える」「肌が再生する」といった強い表現を見かけることがあります。しかし、ツボクサエキスは医薬品でも医薬部外品の承認された有効成分でもなく、化粧品成分として配合されている場合がほとんどです。
化粧品としてうたえる範囲は、「肌にうるおいを与える」「肌を整える」「肌をすこやかに保つ」といった、化粧品の効能の範囲に限られます。「治る」「再生する」「炎症を抑える」といった医薬品的な表現は、化粧品では使えません。
「シカ=肌再生」という通称が広まっていますが、「再生」は化粧品で標ぼうできる範囲ではありません。研究報告として様々な知見があることと、目の前の化粧品にその働きが保証されていることは、切り分けて考える必要があります。化粧品の効能範囲そのものについては、医薬部外品と化粧品の効能範囲の違いで詳しく整理しています。
つまり、CICA配合品は「肌を整える・うるおいを与える」目的で選ぶ分には素直に理解できますが、「効果が約束された治療的なアイテム」と捉えると、化粧品の実態とはずれてしまいます。
「CICA配合」と大きく書かれていても、成分表のどこにツボクサ由来成分があるかは商品によって異なります。まずは表示名のバリエーションを知っておくと、パッケージの宣伝文句に頼らず自分で確認できます。
成分表に次のいずれかが書かれていれば、ツボクサ由来成分が配合されていると判断できます。
「CICA」という文字は成分表には出てこないため、これらの表示名で探すのがポイントです。
成分表は原則として配合量の多い順に並び、1%以下の成分は順不同で記載できます(1%ルール)。植物エキスは一般に、ごく少量でも配合表示できるため、「CICA配合」をうたう商品でも、ツボクサエキスが成分表のかなり後方(防腐剤の近くなど)に位置していることがあります。
これは「だから無意味」という話ではなく、「配合されている量の目安は成分表の位置から読み取れる」という事実です。前面の宣伝が強い商品ほど、成分表での実際の位置を確認すると、期待値を冷静に調整できます。配合順位の具体的な読み解き方は配合順位と1%ルールの読み解き方で解説しています。
CosmeScopeでは解析済み商品の全成分を配合順に確認できるため、「CICA配合」表示と実際の配合位置のギャップを、商品ごとに照らし合わせられます(2026-06-11時点のDBデータに基づく)。
成分の特性をふまえると、向き不向きの目安は次のように整理できます。肌の状態には個人差があるため、あくまで検討の出発点としてご覧ください。
検討しやすい方
慎重に検討したい方
新しい化粧品を使うときは少量から試し、違和感が続く場合は使用を中止して、気になる症状があれば皮膚科専門医に相談してください。
Q. シカクリームはニキビ肌に使えますか? A. ツボクサ由来成分は肌を整える目的で配合されることが多い成分ですが、「ニキビが治る」といった効果を保証するものではありません。油分の多い処方が合わない場合もあるため、成分構成を確認し、少量から試すのが現実的です。症状が気になる場合は皮膚科専門医に相談してください。
Q. 敏感肌でもCICA配合品は使えますか? A. 肌が敏感な方に向けて設計された商品もありますが、「敏感肌=必ず使える」わけではありません。ツボクサはセリ科植物のため、植物エキスに反応しやすい方は配合位置を確認し、パッチテストを行うと安心です。
Q. 「CICA」と書いてあれば成分は同じですか? A. いいえ。「CICA」は呼称であり、実際に配合されているツボクサ由来成分の種類や配合量は商品ごとに異なります。成分表でツボクサエキス・マデカッソシドなどの表示名と、その配合位置を確認するのが確実です。
CICA(シカ)は、ツボクサ由来成分を配合した製品の呼び名であり、成分表では「ツボクサエキス」「マデカッソシド」などの名前で確認できます。化粧品としての位置づけは「肌を整える・うるおいを与える」範囲で、「再生」「治る」といった表現は化粧品の効能範囲ではありません。
「CICA配合」という文字より、成分表でツボクサ由来成分の表示名と配合順位を確認するのが、期待値を正しく持つ近道です。人気成分の理解を深めたい方はナイアシンアミドの解説も、効能範囲の土台を知りたい方は医薬部外品と化粧品の違いもあわせてご覧ください。
※ 本記事は全成分表示に基づく成分情報の可視化であり、医学的助言や効能効果の保証ではありません。肌の状態には個人差があります。気になる症状がある場合は皮膚科専門医にご相談ください。